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知っておきたい太陽光発電の出力抑制・出力制御のルール

2016年6月16日

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■太陽光発電 出力制御ルールのポイント

太陽光発電システムの普及は、再生可能エネルギー利用によって地球温暖化を防ぐ手立てとして国の推進する取り組みとなっています。地球温暖化の原因となっているのはCO2(二酸化炭素)をはじめとした温室効果ガスの影響であり、発電時にCO2を出さない太陽光発電の電力はクリーンエネルギーとして地球を守る重要な役割を果たしています。太陽光発電システムは、設置した事業者や家庭では発電した電力を自分たちで使用する他、電力会社に買い取ってもらうこともできるシステムです。事業者はもとより各家庭でも、電気代の軽減と売電収入というメリットを得るために太陽光発電システムの利用が進んでいます。
しかし、急速に拡大している太陽光発電システム普及によって、各地で電力の買取によって需要と供給のバランスが崩れるという事態が起こり、その事情は少し変わりつつあります。2014年9月末には各地で買取の増加によって送電能力を超える電気量となり、大規模な停電などのトラブルのリスクが高まります。そのため、再生可能エネルギーの買取に対して出力制御というルールが設けられることになりました。
このルールでははじめ、大規模な発電設備を持つ発電事業者を対象としており、家庭用の太陽光発電システムではあまり関係のなかったものでしたが、近年の再エネルギー特措法の改正によってより広い範囲の太陽光発電に対してルールが適用されることとなりました。ルールの変更によって大規模な発電事業者のみならず、家庭用の太陽光発電システムの発電容量であっても出力制御をうける可能性が出ています。
出力制御とは、太陽光発電システムをはじめとした再生可能エネルギーを一定の範囲で抑制することです。これは太陽光発電の他に風力発電などにも適用となるもので、それぞれに抑制の範囲が決められています。太陽光発電システムで発電した電気は送電線に流れて売られていくものですが、出力制御が行われると、それを送電線に流すことができなくなります。その分だけ売電する量が減ってしまうため、売電収入というメリットが減ってしまうリスクがあります。

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■増える太陽光発電 出力制御の可能性

太陽光発電システムに突如訪れた出力制御というリスクは、電力の供給量が需要量を上回った場合にのみ考えられます。そして、その需要と供給の問題は、全国均一ではなく各地で大きく差があります。そのため、各地の管轄電力会社によって出力制御のルールの適用内容や出力制御の起こり得るリスクの高さが違っています。
各地の電力会社は自社の発電設備の出力を抑制した上で、それでも供給が需要を上回った場合に出力抑制を行います。現行のルールとして実施されているものとしては3つのルールがあります。各地の電力の需要と供給のバランスによってそれぞれのルールが適用されることがあります。
30日ルールは2015年1月25日以前に接続申込をした太陽光発電に適用となっているルールです。500kw以上の発電設備に対して年間30日を上限に無補償で抑制を要請できます。360時間ルールはこれから太陽光発電システム導入を考えている場合に関係してきます。年間360時間を上限に無補償で抑制することができるというもので、対象となる発電設備は地域によって異なります。また、指定ルールというのは、年間上限がなく、地域ごとの許容量を超えた時点で適用が始まります。それ以降に接続を申し込んだ発電設備は対象となり、太陽光発電システム導入と同時に指定ルールの対象となることもあります。上限のあるものに対しては超えた分についての補償がありますが、それ以外に対しては補償はありません。
地域による発電量の需要と供給のバランスを基本として、事業用太陽光発電システムの抑制を優先的に行っていますが、家庭用の太陽光発電システムでの抑制も可能性が大きくなっています。地域によっては家庭用の10kw未満の太陽光発電システムもすでに360時間ルールの対象となっている場合があります。

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■太陽光発電 出力制御で起こるリスクとは

太陽光発電システムの出力制御のリスクとしては、売電収入の大幅な減少が考えられます。さらに出力制御は遠隔操作によって行われることになっており、制御が行われる地域に設置される太陽光発電システムにはそのための出力制御対応機器が必要となります。そのため、初期費用としても出力制御の必要な土地とそうでない土地では差が出てしまいます。この地域による差を埋めるために、売電価格の調整も行われています。
太陽光発電の出力制御はあくまでも超過した場合の電力に対するものです。そのため、出力制御の可能性のある土地であっても、実際に制御がどれくらい行われるかは分かりません。
また、小さな家庭用の太陽光発電システムでは最初に家庭での電力の使用があり、その余剰電力を売電することになりますので、そのリスクは比較的少ないとも考えられています。出力制御の可能性と、それに関わって違いのある売電価格などを頭に入れておく必要はありますが、多くの地域では太陽光発電システム導入を止めるほどのリスクではなさそうです。
検討材料の一つとして今後の成り行きを見守り、太陽光発電システム導入のタイミングを計ると良いかもしれません。

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