太陽光発電を東京で設置するメリット
■太陽光発電に適した建物か一目で分かる、東京ソーラー屋根台帳
2014年3月より、東京ソーラー屋根台帳というものが公開されました。これは建物ごとの予測発電量などが一目で分かるシステムとなっており、これから太陽光発電を設置する人にとっての物差しとなります。この東京ソーラー屋根台帳ですが、都の環境局が公益財団法人東京都環境公社と連携して開発した日本で初めての便利なホームページです。インターネットに接続できる方なら誰でも簡単に確認することが可能です。日本以外ではドイツで既に導入が進んでいます。
どのような仕組みになっているかというと、航空測量データを用いて個々の建物を3次元で測量・解析したのち予測される日射量を分析してあります。屋根の傾きや近隣の住宅による日陰の影響までも考慮して作成されており、太陽光発電に適した建物は赤色に、条件付きで設置できる建物は黄色に色分けしています。更に個々の建物をクリックすると日射量・設置可能システム容量・年間予測発電量・CO2削減量の各データがすぐにわかるようになっています。
この台帳を利用すれば、設置前にあらかじめどれぐらいの太陽光発電システムを用意すればよいのか、売電での収入がどれぐらい期待できるのかなども一目瞭然となることから、各設置業者の見積書を比較検討する際にも役立ちそうです。都内で太陽光発電システムを導入しようと検討されている方は必見のサイトと言えるのではないでしょうか。
■駐車場などでも設置できるソーラーパネル
屋根などにソーラーパネルが設置できない家庭でも、駐車場スペースに太陽光システムを設置する、という方法があります。東京都では2030年までに消費電力に占める再生可能エネルギーの利用率30%を目指す長期目標を掲げています。
ご存じのとおり太陽光発電システムは他の発電方法と比較すると設置しやすいという利点がありますが、都内では空き地が少なく、地価も高いことから場所を取ってしまうソーラーパネルの設置導入が思うように進んでいませんでした。そこで都の環境公社は2015年からモデル事業として、湾岸地域にある海浜公園と山間地域にある水道局のそれぞれのカーポートに支柱を立ててソーラーパネルを設置し、どちらも2016年から運用を開始しています。発電した電力はそれぞれの施設内で使用する電力に充てており、都の環境局は2020年までこのモデル事業を運用しながら、導入による効果や維持管理体制などを検証していく予定とのことです。
民間企業でも東京都と同じく、広いカーポートを利用してソーラーパネルを導入する動きがあります。例えば郊外の工場に、自家用車で通勤する1200人の従業員のための広大なカーポートにモデル事業と同じく支柱を立ててソーラーパネルを大量に設置したほか、アウトレットモールにある来場者用の駐車場にソーラーパネルを設置した例などがあります。このような野外の駐車場にソーラーパネルを設置することは、結果として車の上に屋根ができるような形になることから暑い季節には車内の温度上昇を抑えることができるといった効果も期待できます。また、今後このような設置例が増えれば導入コストが下がることも予想できるため、更にソーラーパネルの駐車場への導入が広がる動きにつながる可能性も大いにありそうです。
■各市区町村ごとに異なる補助金
都内であっても市区町村ごとに補助金の支給額が異なります。例えば太陽電池容量3.5kw、平成28年に設置した場合で見てみると、まず東京都から1kwあたり20,000円補助金が支給されるので、20,000×3.5=70,000円が支給されます。
次に地域ごとにいくつか見ていくと、23区内であっても各区で支給額が異なり北区の場合は15万円であるのに対し、中央区は35万円、渋谷区は7万円とかなり補助金の額に差があります。23区外では多摩市が6万円、武蔵野市が10万5千円、小平市が12万円などでこちらもかなり地域によって支給額に差があることがわかります。なお、蓄電池や家庭用燃料電池などを同時設置した場合や、高性能建材を利用した住宅である場合などに補助金が上乗せされるケースもありますので太陽光発電システムの導入検討される際は各自治体の担当部署に問い合わせをしていただくことをお勧めします。
全国的には太陽光発電システムの導入に対する補助金は減額傾向にある中、東京都は比較的補助金の額が多い方であると言えます。また、東京ソーラー屋根台帳など太陽光発電システム導入時の効果が一目でわかるような取り組みや駐車場への太陽光パネル設置など自治体を挙げての取り組みも多数あることから、導入へのハードルを低くする努力をしている自治体です。
これから太陽光発電システムの導入を考えておられる方はこのような情報を有効に活用しつつ、各ソーラーパネルメーカー、設置業者を比較検討されてはいかがでしょうか。
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