太陽光発電と同時に導入(オール電化、蓄電池、充電設備のメリット)
太陽光発電を自宅に取り入れるメリットの一つとして、昼間のピーク時間帯に太陽光で発電した電力を夜間などに活用することで、光熱費の削減が図れるという点があります。また、蓄電池に電気を貯めておけば、万一の災害時に非常用電源として活用できます。
ただし、せっかく発電しても、電気はそのままではためておくことができませんから、そうした使い方を想定する場合は、太陽光発電装置と同時に蓄電池など充電設備を導入する必要があります。
■いざというときに活躍!家庭用の蓄電池とは
家庭用蓄電池とは、一般の家庭でも使えるように蓄電池を小型化したものです。業務用の蓄電池よりも小型化して容量や機能を抑えた分、価格も手が届きやすくなっています。
家庭用蓄電池の主な役割は以下の3点です。
- ・太陽光発電などで発電した電気を昼間に蓄えておき、夜間に使用する
- ・夜間電力を利用して蓄えた電気を昼間に利用
- ・災害などで電気の供給がストップしたときに活用する
中でも家庭用蓄電池の最大のメリットは、普段から蓄電池に電気をストックしておくことで、停電時でも電気が使用できるという点です。
2011年の東日本大震災時には、計画停電で電気の使用が制限され、不便な思いをした方も多いでしょう。とくに、オール電化の家庭など、住宅設備のほとんどが使えなくなり困ったという声もあります。こうした経験から、昨今家庭用蓄電池に対する関心が高まっています。
ただ、家庭用の蓄電池は導入費用が高く、関心はあってもなかなか手が出しにくいという声もありました。しかし近年では、参入企業が増えたことで機器の価格も低下しており、一般家庭でも手が届きやすくなってきています。
家庭用の蓄電池として販売されているものには、大きく分けて2種類があります。
ひとつは、リチウムイオン電池です。リチウムイオン蓄電池のメリットは、小型でも多くの電気を蓄えることができる点です。繰り返し充電をしても劣化しにくいといわれており、機器の寿命を長くもたせることができます。使用環境にもよりますが、だいたい5年から10年は使用できるといわれています。技術の革新により、今後製品の寿命も延びていく見通しです。
太陽光発電と組み合わせて充電設備として使用できる機器も登場しており、非常用電源だけでなく、省エネの観点からも優れているといえます。
一方で、価格面がデメリットとされていましたが、技術が進歩し参入企業も増えたことで、価格も低下してきています。今後はさらに導入しやすくなるでしょう。
蓄電池のもう一つの種類は、鉛電池です。リチウムイオン電池に比べて安価であるぶん導入しやすいといえますが、蓄えられる容量がリチウムイオン蓄電池に比べて少なく、充電を繰り返していると寿命が短くなってしまうという欠点があります。そのため、災害時の非常用としてならば使用するメリットもありますが、節電目的などで日常的に使用するのは難しいといえます。
■電力の小売り自由化でオール電化がおトクに?
オール電化住宅とは、ガスなどのエネルギー源を使わず、給湯、暖房、調理といった全ての住宅設備を電力でまかなう住宅のことです。
給湯器なら「エコキュート」、キッチンのコンロは「IHクッキングヒーター」を導入します。
火を直接扱わない安全性や、光熱費を電気代に一本化できること、さらに割安な夜間帯の電気を使用することで電気代を下げられるといったメリットから、2000年頃より普及が拡大しました。
2011年の東日本大震災を契機に、電力供給事情に変化が起こったことから、オール電化住宅も一時は伸び悩むかに見えました。しかし、2016年以降再び注目を集める兆しが出ています。
その理由は、2016年4月から始まる家庭用電力の小売り自由化です。
いままでは東京電力や関西電力といった各地域の大手電力会社が独占的に電力の供給を行っていました。しかし、自由化後は、消費者が自由に電力会社を選べるようになります。すでに、通信事業者などこれまで電力供給事業に関わっていなかった企業も小売り事業への参入に名乗りを上げています。こうした中で、事業者間で価格競争が生まれ、今まで以上に割安な電気を利用できるようになると考えられます。参入各社がさまざまな電気プランを提案する中で、オール電化住宅向けのおトクなプランも各種登場する見通しです。
調査会社の富士経済によると、2025年度にはオール電化普及率が20%を越えるようになり、おおよそ5戸に1戸がオール電化住宅という住宅事情へ変わる見通しだといいます。
■安心・安全な暮らしのために
オール電化や太陽光発電システム、蓄電池など、最新の家庭向けの充電設備やエネルギーマネジメントシステムについてお伝えしました。
災害など、いざという場面はないに越したことはありませんが、備えあれば憂いなしともいいます。
電力の供給事情が大きく変わりつつある昨今、安心・安全な暮らしのために、最新の住宅事情に関心を払っておく必要がありそうです。
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