■施工面での違い
太陽光発電を導入しようと思う場合、いくつかのメーカーの太陽光パネルを比べて、どれを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。実際のところ、太陽光パネルを設置するためにかかる費用は依頼する企業、メーカーによってかなり違いがあります。同じ太陽光発電を始めるのに、業者によってなぜ金額の違いが出てくるのでしょうか？
太陽光パネルを設置すると言っても、どのような屋根につけるかでかなり事情が異なってきます。そして、その施工基準というものはメーカーによって様々なので価格の違いが出てきます。パネルを受ける台からすべてを自社で製作しているメーカーもあれば、パネルのみを製作しているメーカーもあります。外注の都合でコストが変わることも考えられます。台の細かな設置方法や耐久性などにも違いがあるので、同じ屋根でも、業者によって工事費用に差額が生じることはもちろん、設置が見送られたり、設置が可能になったりという違いが出る可能性もあります。
また、屋根の形状や材質の違いによって微妙に金額が違ってきますので、似たような屋根のお家が大体いくらで太陽光発電を導入したという話を聞いたとしても、屋根の勾配のちょっとした違いや、材質の違い、野地の状態などによって設置に関する方法や基準が異なってきます。もちろん金額もそれに伴って変わるため、ほかの家の見積もりは参考にならないこともあります。メーカーによる施工基準も違いがあるため、あるメーカーに確認すると太陽光パネルの設置が難しいと言われたのに、別の業者では設置可能と言われる可能性もあります。それで複数のメーカーのパネルについて調べて、できれば見積もりや相談も複数のメーカー、業者にすると良いでしょう。太陽光発電の工事費用の違いは、まずこうした施工基準の違いから生じるということを覚えておくことがポイントです。

■設置面積によって価格が異なる
太陽光パネルの設置面積が変われば、当然価格も異なります。同じ発電量でも、メーカーによって設置面積が異なります。これは、パネル1枚あたりの出力量が製品によって異なるからです。多くのお客さんが3kW～5kWの発電量を希望することが多いですが、3kWの発電量を目指してパネルを組み合わせた結果、18平方メートルくらいで済む場合もあれば、もっと広い面積を必要になるケースもあります。同じkW数を希望していても、業者によって工事費用に違いが出るのは、パネルの設置面積と枚数が変わるからと言えます。
逆に言えば、設置面積が広ければ発電量が大きいというわけではないということです。重要なのはパネル一枚あたりの大きさではなく、そのパネル一枚の最大出力がどれほどかということです。パネルが大きければ良いというわけではなく、小さいからダメというわけでもありません。また発電量は屋根の形状や勾配によっても変わってきますので、どれくらいの設置面積でどれくらいの発電量を見込めるかはそうした屋根の状況によってかなり違いが出てきます。
自分の家の屋根にどれだけの面積の太陽光パネルを設置できるかは本格的に見積もりを取らなければわかりません。思ったほど広く面積を取れない可能性もありますので、希望通りの発電量を実現するためにはどの太陽光パネルを選ぶべきか考え直さなければいけないケースもあります。
依頼する企業によって、設置に必要な面積は異なります。その分工事費用も上下しますので、見積もりを出してもらったときに面積と費用をチェックしておきましょう。

■工事費用などトータルの金額で考えることが大切
各メーカーの太陽光パネルの価格だけを調べていると、実際に見積もりに入ったときにパネル自体の価格以外に工事費用などが意外なほどの価格になることがありますので、トータルの費用で太陽光発電導入のプランを考える必要があります。多くの業者がパネル単体での価格というよりは工事費込みでのトータル費用でプランを出してきていますので、希望する発電量とそれに対するトータル工事費で物事を考えて進めていきましょう。
国内の主要太陽光パネルメーカーの見積もりを一括で依頼できるサイトなどもありますし、10社ほどの太陽光設置の費用やプランを比較できるようなサイトもありますので、そうしたまとめてあるサイトを見てトータルの工事費用を考えていくのが賢明です。初期にかかる費用だけでなく、設置後の毎月の発電量・売電の計画などもしっかりと検討しておきましょう。さらに家庭環境や生活スタイルによってどのようなレベルで太陽光パネルを導入すべきか変わってきますので、昼間に家にいる家族なのか、それとも日中はほとんど留守にしているのかなどもしっかりと相談しながら導入を検討していきましょう。
太陽光発電の導入は単純な節約計画ではなく、まさに生産財と言えるものですので、メリットをしっかり踏まえて、いくつかの業者にしっかりと見積もりを依頼して工事を進めましょう。