■マイホームに設置する場合
太陽光発電によって作った電気で、使用せずに残ったものは電力会社に買い取ってもらえることもあり、徐々にソーラーシステムをマイホームに導入する人は増えてきました。導入に際して1つネックになっているのが費用の話で、初期投資の金額が高いことや、売電によって実際にどの程度コストを回収することができるか分かりにくいことが原因となって足を踏み止まらせている方も多くいらっしゃいます。今回は導入に必要となるコストとその回収、お金の問題に関して見ていきます。
マイホームに太陽光発電を設置する場合、相場としてはおよそ1kWあたり40万円前後となります。住宅用の太陽光システムは4.2kWがベースとなっているため、総額では100万円から200万円前後の金額が必要となります。しかしながら一概の全てのケースがこの相場に当てはまるわけではないというのも難しいところで、取りつける太陽光システムの規模によっても金額は当然変わってくることになります。小規模なものならば取り付けるために要する金額は100万円を切ることもありますし、その逆に大規模なものになれば200万円以上が必要となることもあります。この費用を細かく区分けしていくと、太陽光パネルにかかる金額が40%から50%前後となっており、工事費用がおよそ20%前後、パワーコンディショナーや架台の料金も同じく20%前後となっていて、見積もりを行うとそれぞれの項目の総計が提示されることになります。価格の大部分を占めている太陽光パネル（モジュール）は、メーカーや性能によっても価格が大きく変動することになるため、見積もり時は慎重に決めましょう。
太陽光パネルを比較する際には、1枚あたりの単価と共に、発電性能についても見ておきたいところです。どれだけ効率良く発電できるか、という問題は非常に重要で、効率が悪いまま発電をしていればその分売電による収入も減少してしまい、その結果コストの回収に時間がかかってしまうこともありますので注意しなければなりません。
設置工賃については、家庭の配線を調節しなければならないため、素人にできるようなことではなく、削ることもできないコストとなります。しかし、業者によってはランニングコストも一緒に計上しているケースがあったり、今後のメンテナンスにかかるお金は含まず、その代わりに安くしているケースがあったりと、金額はサービスの内容によって左右されることになりますので注目すべきと言えるでしょう。

■発電できるkW数も重要なポイント
太陽光パネルの性能を加味した上で設置するものを決めることが損をしないようにする上で重要となります。パネルの性能は、効率の善し悪しがあるのと同時に、価格という問題も含めて考えなければならず、どの製品が良いのかが分かりづらいという問題があります。そこで紹介したいのがkW単価という考え方です。kW単価は1kWあたりに必要となる設置コストを意味しており、各メーカーの製品でこれを比較することによって発電効率の善し悪しを計ることが可能となります。kW単価の算出方法は以下の通りです。

kW単価=導入にかかる合計価格÷太陽光システムの発電量（kW）数

例えば150万円で発電容量3kWの太陽光システムのkW単価を算出するのであれば、総額の150万円を3kWで割った50万円がkW単価となります。この太陽光システムと購入を迷っているシステムが120万円で発電容量が4kWならば、こちらはkW単価が30万円となるため、断然後者の方がお買い得であることが分かります。
最近ではこのkW単価の考え方は知られるようになり、メーカーが製品を販売する上で参考用の資料として数値を提供していることも多くなりましたので比較も簡単に行うことが可能です。1kWあたりに必要となる金額が提示されていれば、太陽光パネルの分かりにくい部分もすっかり解消されるはずです。

■資金に余裕がない場合
太陽光システムは導入してみたいけれど、資金に余裕が無いという場合にはローンを組むことも可能になっていますので、こちらも利用してみることをお勧めします。メガバンクを始め、多くの銀行、金融機関にて提供されている太陽光システム購入希望者向けの融資は、用途が多目的な融資ではありませんので金利も低く設定されています。感覚的には自動車のローンを組んでいるのと似ていて、ローンの審査も比較的通りやすいためお勧めです。
また、資金に余裕が無い場合に限らずお勧めなのが、住んでいる地域の補助金制度を利用することです。国による補助金の支給は2014年で終わってしまいましたが、地方自治体の補助金制度はまだまだ続いており、太陽光システムを導入するのに際してきちんと手順を踏んで申請さえすれば、いくらか補助金が下りるようになっています。これを利用すれば更にお買い得に太陽光発電を自宅で行えるようになります。購入を考えている際は、ぜひお住まいの地域の補助金制度も一緒に調べてみてください。