太陽光発電にかかる費用はどれくらい?
■一番大きな費用、太陽電池モジュール
太陽光発電を設置するにあたり、最も大きな費用となるのが太陽電池モジュールです。とはいえ、2001年頃と比べ、50万円ほど安くなりました。2001年ごろは170万円程度かかっていたのが、現状が120万円弱程度となっています。
太陽電池モジュールとは、太陽電池の素子(セル)を必要枚数配置して、屋外で利用できるように樹脂やガラスで保護してパッケージ化したもののことを指します。太陽電池パネルとも呼びます。太陽光発電に用いる太陽電池モジュールの耐用年数は設置環境にもよりますが基本20年以上とされています。使用可能期間が長いこと、他の発電方法に比べると構造がシンプルであるためメンテナンスが比較的容易であること、また各住宅の屋根に設置できることから環境に優しいことなどメリットが多く、新しい発電方法として注目されてきました。
最近ではビルの壁に設置できる新しいタイプの太陽電池モジュールも開発されており、ますます場所を選ばず設置できる便利な発電システムとして認知されてきています。住宅用の太陽電池モジュール市場では日本製・中国製のパネルメーカー上位10社の製品が主力とされています。
各メーカーによって住宅用に特化しているもの、積雪が多い地域を得意としているもの、薄型でスタイリッシュなもの、コストパフォーマンスがよいものなど各種あります。普段使用している電力量をチェックしつつ、まずは設置環境とかかるコストをにらんで、各家庭の需要に応じた各メーカーの太陽電池モジュールをどう選ぶかが大きな検討ポイントになってきます。
■設置工事費はどれくらいか
太陽光発電にかかる設置工事には、太陽電池モジュールを設置する工事費や配線設備費、電気配線工事費などがかかります。
設置工事費は各家屋の屋根の向き、面数、面積、屋根材、築年数などによって変わってきますので、それぞれオーダーメイドの見積りとなり、設置業者に屋根に上ってもらって試算・見積りを出してもらうことになります。費用の目安としては太陽光発電普及拡大センター(以下、J-PEC)が平成26年に発表している、既存住宅の太陽発電システム設置平均単価である、1kwあたり40.5万円が一つの目安になります。同じくJ-PECが発表している平成26年の各家屋の平均発電容量が4.9kwですので、工事費込みで200万円程度が設置費用の総額となります。
設置業者から見積書が出てきた場合に、この平均単価よりも高い場合は内容を確認してみるほうがよいと言えますが、パネルメーカーや、発電容量、設置環境によっては超える場合もありますので詳細をよく聞いてみることが必要です。特に屋根の形状や向きによってはパネルを太陽の方向へ向けるために別途資材が必要になる場合などがありますので、設置希望箇所はいくつか考えておくほうがよいかもしれません。
■多額の設置費用も補助金でカバー
設置費用を賄うため、各地自体では補助金を支給しています。中心都市であっても、その金額は10万円から20万程度違うため、設置前には必ずチェックしておきましょう。
例えば発電容量が5kwの場合を見てみましょう。平成28年度に各地域で受け取れる補助金は、東京都品川区は都から10万円+区からの9万円=合計19万円です。北海道札幌市は22.5万円、福岡県福岡市は10万円、大阪府大阪市は補助金が全くありません。また、自治体によっては、蓄電システムや家庭用燃料電池などを同時に設置した場合に更に追加で補助金がもらえる場合などもあります。例えば京都府京都市の場合、太陽光発電システムと蓄電システム(5kw)を同時設置した場合70万円となります。このような補助金の申請については、自治体によって必要書類や申請時期も全く異なりますので各自で担当部署へ確認することが必要です。
設置費用と同じく補助金についても年々支給金額が下がる傾向にあり、それと同時に各家庭で発電した電力を売る、売電価格も下がる傾向にあります。
例えば1kwあたりの余剰売電価格が平成22年は48円だったのに対し、平成28年は31円もしくは33円(設置地域によって異なります)と3割程度安くなっています。また、全量売電価格は平成28年には24円と、更に安くなっています。ただし、この売電価格ですが余剰売電は設置後10年間、全量売電は20年間保証されます。そのため現在、太陽光発電の導入を検討されており売電による収入を期待されている方は設置にかかる費用を考えつつ、なるべく早めに設置したほうがよいと言えます。
画期的な発電システムである太陽光発電。一度設置すると20年間は使用することになり大きな買い物には違いないのですが、現在の電力事情や環境の変化を考えると設置は前向きに検討したいと考える方が多いのではないでしょうか。これから太陽光発電システムを設置するためには費用を補うための補助金や売電価格を考慮しつつ、太陽光発電システムの設置実績が多数あり、信頼できる設置業者にまずは相談することがキーポイントになるのは間違いないと言えそうです。
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