ソーラーパネルの価格は何故違う?
■ソーラーパネルの素材
ソーラーパネルの価格は、規模の大きさと性能によって値段が異なることになります。太陽光発電システムは基本的にオーダーメイドとなり、希望する予算や住宅の屋根の状態などによって取り付けることの可能な大きさが決まってくることになり、加えてパネルの発電効率などによって値段が上下していきます。ソーラーパネルの性能を左右するのが素材で、より細かく言うのならば、パネルの値段は性能の違い、性能の違いはパネルに使用されている素材の違いと言い換えることが可能です。
住宅用に導入されている太陽光発電パネルには、主に結晶シリコンソーラーパネルと薄膜シリコンソーラーパネル、CIGS系ソーラーパネルの3種類です。現在最も人気が高く、多くの住宅にて導入されているのが結晶シリコンのパネルで、こちらは発電効率も高く、比較的安価に購入することができるだけでなく、形状にも自由がきくため屋根への設置も楽な点が人気の秘訣となっています。予算に応じて柔軟に選ぶことが可能となっており、製品の幅も非常に広く、多くのメーカーが製品化していることもあって選択肢も広いのも魅力のひとつと言えます。単結晶シリコンと多結晶シリコン、アモルファスシリコンのタイプに分けられますが、多くのパネルに採用されているのが単結晶シリコンとなっています。
薄膜シリコン型のパネルは電卓などに用いられているパネルを大型化したものと想像すると分かりやすいでしょう。このパネルの特徴は薄く軽量であり、設置の際に屋根への負担を軽減させられるという点にあります。ただし、現在では量産されていないこともあり価格が比較的高く、また発電の効率についても結晶シリコン型のパネルより劣ってしまうこともあって普及していないのが現状です。
CIGS系パネルは次世代の太陽光パネルとして人気が急上昇しているパネルです。素材となっているのは銅とインジウム、ガリウム、セレンで、それぞれの元素記号よりこの名前が付けられています。シリコン系とは違い少ない材料で生産することが可能なパネルで、値段も安く抑えられているのが特徴です。また黒一色のシンプルなデザインになっているため、住宅の外観を損なうことなく取り付けられるのも魅力と言えます。デメリットとしては薄膜シリコン型まではいかないものの、結晶シリコン型よりも若干発電効率が劣ってしまうことが挙げられますが、効率の課題は今後解消されていくことでしょう。
パネルの値段のみを比較するのであれば、CIGS型パネルか結晶シリコン型パネルが薄膜シリコン型よりも一枚上手といったところですが、この両者の比較はメリットもデメリットもあるため難しく、正しい知識をもってケースバイケースで選んでいくことが必要となりそうです。
■モジュール性能
太陽光パネルのモジュール性能、もしくはモジュール変換効率とは、パネルが有している太陽光を電気に変換させる能力の度合いを示した数値となります。一定の面積を持つ太陽光パネルに太陽光が当たり、その光エネルギーの内、何%を電気へと変換させられているかを示しており、例えばモジュール性能が20%ならば太陽光の持つエネルギーの内20%を電気へと変換できていることになります。モジュール性能についてはメーカーごと、製品ごとによって異なることになり、一般的には高いパーセンテージをたたき出している製品が高品質で値段も高くなる傾向にあります。注意したいのはモジュール性能は環境によって変化するという点です。例えば結晶シリコン型は暑さに弱く、気温が高い地域ではモジュール性能が下がってしまうという特徴があります。自分が住む地域の環境で太陽光パネルが本来のモジュール性能を発揮できるかどうかはあらかじめ把握しておきたいところです。
また、変換効率が高い製品でも値段が高いがため、設置コストが高くついてしまうとコストの回収に手間取ってしまう可能性もありますので要注意です。一概にモジュール性能が良いものが適していると言い切れませんので、購入する上でのひとつの判断基準として考慮することをお勧めします。なお、モジュール変換効率はモジュール1平米あたりの効率を表した数値で、セル変換効率とは対象となる面積が異なりますので注意しましょう。
■最大出力量
パネルの最大出力は公称最大出力とも呼ばれ、こちらもモジュール性能と同様にパネルの性能を表す数値となります。最大出力は、パネルが理想的な状態で発電した場合、どの程度の量を発電できるかを示した数値で、車で言うところの燃費のようなものであると認識すると良いでしょう。燃費もそうですが、実際に使用してみると、この数値以上の数値は出せないものですので、この情報を鵜呑みにしてしまうのもやや問題です。最大出力についても高い数値が提示されていれば、それだけ変換効率が良いパネルであることを意味しています。
なお、最大出力量についてはパネル1枚あたりの数値が提示されることになるため、設置にあたって複数枚を用いたシステムにするのであれば、ここで表されている数値に枚数をかけたものが、理想な状態で発電できる最大量となります。大量に発電させるためには、それ相当の面積も必要となりますし、こちらもモジュール変換効率と同じように価格とのバランスを考慮する必要があると言えるでしょう。
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